トリココーヒーをつくるひとたち①

コーヒーづくりをする上で、生産者はとても重要なパートナーです。世界のあらゆる場所でコーヒーが消費される一方、産地の多くは開発途上国で、貧困や児童労働などさまざまな問題を抱えています。離れた場所でもパートナーと信頼関係を築き助け合うこと。それがトリコプロジェクトの大きなテーマのひとつです。

コーヒーや果物、衣類など、わたしたちの生活の中にある多くのものは、さまざまな場所でつくられ運ばれてきています。つまり、店頭に並んでいる商品は、生産に関わった人たちの生活とつながっているということです。

開発途上国で生産されたものをより安く販売するために、仲買人は生産者に適正な対価を支払わないことがあります。また流通の過程で輸出会社や輸入会社などさまざまな業者が入ると、結果的に生産者への収入がわずかになってしまいます。それによって生活に困窮し、子どもたちを学校に通わせることができない家庭もあるのです。さらに、生産の効率を上げるために大量の農薬を使用して働く人の健康や環境に悪影響を与えるなど、さまざまな場所で深刻な問題が起こっています。

コーヒー豆の小規模農家は独自の販売ルートを持たないため、中間業者に頼らざるを得ない状況

生産者の生活向上と自立を支援するために、原料や製品を適正価格で継続的に購入する。その取り組みがフェアトレードです。それとは別に、ダイレクトトレードという取り組みも存在します。 フェアトレードでは小規模の農家がまとまって取引をすることが多いですが、ダイレクトトレードでは各農家が購入者と直接つながります。そのため、生産方法や収穫状況を詳しく把握することができ、コミュニケーションも図りやすくなります。トリココーヒーに使用する生豆は、エチオピアからフェアトレードで、東ティモールからダイレクトトレードで仕入れています。

東ティモールのコーヒー農園にて。遠く離れた場所にも、当たり前の日常がある

フェアトレードで豆を仕入れていても、実際にどんな人が関わっているのか、季節ごとにどのような変化があるのか、詳しく把握するのが難しいこともあります。安全で品質の高いコーヒーを提供するために、産地との「顔の見えるつながり」を大切にしたい。その思いが強くなり、ダイレクトトレードの導入に至りました。

農園は東ティモールのエルメラ県レテフォホという地域にあり、メンバーは25名。国際的なコーヒー品質協会からも認められた高品質のコーヒー豆を生産しています。ダイレクトトレードは農家ごとの収穫や精選方法、出荷までの流れをより詳しく把握することができます。将来的には契約農家として長く関係を築いていきたいと考えていますが、同時に農家の人々の生活を守るためにも継続的に仕入れをする責任が生じます。まだまだ長い道のりですが、実際に農園に赴き、そこで働く人たちと顔を合わせ、試行錯誤しながら一緒にコーヒーづくりをしていくことが目標です。

収穫されたコーヒーチェリー。糖度計を使用して成熟度を見極める

果肉除去や豆の選別、発酵、乾燥など、出荷するまでにさまざまな作業が必要

ビニールと麻袋で梱包され、日本を含むさまざまな場所へ運ばれていく

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